ボイトレコラム⑬ 歌が心と身体に良い3つの理由


はじめに

 

インターネットが普及し、情報社会となった現代。

誰もが簡単に、あらゆる情報を手に出来るようになりました。

ですが近年、その便利さの裏側にある様々なリスクも取り上げられ始めています。 

 

ボイトレコラム 現代はストレスの多い社会です

  

パソコンやスマホの画面を見続けることでの眼の疲れや、

それらを使用する時に姿勢が崩れがちになることも、リスクの一つです。

 

 

姿勢が崩れ猫背になると、肺が圧迫され、呼吸が浅くなります。

 


浅くなった呼吸は、新陳代謝を低下させ、

頭痛や慢性疲労などを引き起こす原因ともなるからです。

 

また情報社会のリスクは、身体的なことに止まりません。 

 

 

手元のスマホ一つで、求める情報のほとんどが得られるようになった今、

人と人との関係は、少しずつ希薄になりました。

 

周りの人との関係が薄くなると、

人と会話をする機会も減っていきます。 

 

ボイトレコラム 情報社会の弊害とは

 

「人と話す」という行動は、感情をあらわす大切な行動の一つです。

 

心がストレスを感じた時、それを「誰かに話すことが出来る」ということは、

感情の良いはけ口になります。

 

 

心に溜まった感情を外に吐き出すことで、

自然とストレスが解消出来るのですが、

 

話すこと、愚痴を言うことが出来なくなると、人の心はより閉鎖的になり、

「ストレス」という外部からの攻撃に、立ち向かうことが出来なくなってしまうのです。 

 


歌うことが心と身体に良い理由

 

心も身体も、元気で居続けることが難しい現代ですが、

それでは何故「歌うこと」が健康に良いのでしょうか。

 

 

理由①:大きく声を出す=ストレス解消

 

「話すことが出来る」と、それがストレス解消になるとお話ししました。

「歌うこと」には、それ以上の効果が期待出来ます。

 

 

歌う時には、普段会話をする時よりも、大きな声を出します。

 

  

大きな声を出す=「声を張る」と、

喜怒哀楽の強い感情を発散出来た時と同じような、心の爽快感を感じることが出来ます。 

 

ボイトレコラム 歌はストレス解消に効果的

 

 

そして、スポーツ選手が試合中、大きな声出して自分自身を鼓舞するように、

声を張ると、自然とモチベーションが上がることが多いのです。

 

わーっ!と大きな声を出して、

それだけで何だか気持ちがスッとしたことは無いでしょうか。 

 


理由②:全身運動の効果

  

■腹式呼吸

歌う時には腹式呼吸を使います。

この腹式呼吸が健康への大きなカギであり、大きく分けて2つの効果があります。

 

 

腹式呼吸の効果①:内臓の活性化

腹式呼吸でお腹を膨らませたり、へこませたりの運動は、

内臓を活性化させます。

 

内臓が活性化され、腸が活発に動き出すと、お通じが良くなり体内のデトックス効果が期待出来ます。

身体に溜まった脂肪も燃焼されやすくなります。

 

ボイトレコラム 腹式呼吸で内臓活性化を

 

また新陳代謝が活発になると、

古い細胞が死に、新しい元気な細胞が生まれるという良いサイクルが出来てきます。

細胞が循環することで、体内が若く保たれやすくなるのです。

 

 

腹式呼吸の効果②:鼻呼吸

腹式呼吸を学ぶことは、鼻呼吸の良いトレーニングでもあります。

 

 

鼻腔内は鼻毛で覆われており、

空気中のウィルスの侵入を阻止する役割を担っています。

 

ボイトレコラム 鼻呼吸の効能

 

また、鼻から吸った空気は喉を通らず直接気管へ入るため、

 

喉の粘膜へウィルスが付着するのを、防ぐことが出来るのです。

鼻呼吸が習慣になれば、風邪も引きにくくなるはずです。

 

 


■筋力トレーニング  

歌う時には、口を動かします。

そして口は、あごや頬の筋肉を使って動かされています。

 

 

歌う時の、あごや頬周りの筋肉の動き方、そして声帯周りの筋肉の動き方は、

口中のものを飲み下す時の嚥下(えんげ)運動とよく似ています。

 

 

年齢を重ねるにつれ、この部分の筋肉は弱りがちで、

「食べ物を飲み込む」ということが、加齢と共に困難になって行きます。

 

この部分の筋肉をトレーニングすることは、

身体を若く保つために非常に有効であると言えるでしょう。

 

ボイトレコラム 筋力トレーニングで若さを保つ


理由③:脳の活性化

歌を歌う時は、歌詞を見ながら歌うことも、歌詞を覚えて歌うことも出来ます。

 

もしあなたが、歌を通じてより健康になりたいと望むなら、

是非、歌詞を覚える努力をしてみて下さい。

 

 

歌詞を覚えようとする行動そのものが、脳にとって非常に良い刺激になります。

 

ボイトレコラム 音楽で脳を活性化

 

 

また、理由②で述べた腹式呼吸をトレーニングして行くと、

少しずつ、深い呼吸が出来るようになります。

 

 

胸式で浅い呼吸をしていると、血中に酸素を取り込みにくく、

時に必要な酸素濃度を満たさないことがあります。

 

腹式で深い呼吸が出来るようになると、充分な量の酸素が取り込まれ、

血中の酸素濃度が満たされて、脳が活発になります。

 

脳が活発になると、思考がクリアになり、

自然と前向きな考え方が出来るようになるのです。

 

 

ストレスは外部からの攻撃ですから、

それに対抗出来る前向きなパワーを養うことが出来るようになります。 

 


歌うことで前向きな心を

 

「病は気から」と昔から言われています。

ですが私は、その逆もあると思っています。

「気は病から」なこともあるのです。

 

身体の不調が、心の不調までも引き起こすことが、

かなりの割合であるはずです。

 

 

身体、脳、心、この3つが上手くバランス良く働くことが、

若く健康であり続けるための秘訣であり、

 

「歌うこと」には、その3つ全てを元気にする力があると、私は思います。

 

ボイトレコラム 歌って心も身体も元気に!

 

勿論、ただ大きな声を出して歌うだけでもその効果はあるはずですが、

正しい発声法、腹式呼吸のトレーニングをしながらであれば、

その効果は何倍にもなります。

 

歌を歌っていく中で、身体が元気になり、脳が活発に働けば、

自然と心も元気になります。 

 

 

ストレスを感じることの多い現代です。

残念ながら、そのストレスは明日突然ゼロになったりはしないでしょう。

 

だからこそ、このストレス社会で元気に生き抜いていくだけのパワーを、

自分の中に作っていかねばなりません。

 

 

楽しく歌い、心も身体も元気になって、

一人でも多くの生徒が、レッスン終わりに笑顔で帰って行って欲しいと、

 

私はいつもそう願いながらレッスンをしています。

 

リューズボーカル&ギタースクール
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